きゃたぴーの揚げ物

きゃたぴーが日々思ったりしたこと

スマガ 雑感

ネタバレ注意というか知ってる人が読むことを前提とするというか、配慮する余裕とか諸々全くないので、あしからず。



スマガ。



プレイ自体は二回目ではあるものの、以前プレイしたのはずいぶん昔で、細かい展開はほぼほぼ覚えていなかったので、割と新鮮に楽しむことができた。まぁ10年くらいたってるから当たり前か

当時とは多分感じ方も何もかも違っていると思うのだけれど、残念ながら当時の自分のことなんて覚えていないので、やっぱりこういう形で残すことはまず自分のためになるな、と再確認した。


マガスペシャルは未プレイ。


ということでまずはルート毎に一言。


共通スピカルート。
タイトルは  She May Go。各ルートタイトル、オシャレで良き。正直共通の3ルートは合わせて一本みたいな気もするけどね。このルート、必ず最初にプレイすることになるルートだけあって、掴みは抜群。最初にスピカのスチルが表示されたとき、あー、伊都夏に帰ってきたのだと、感慨深かった。

スピカ。こういう、強いんだけれども、ちゃんと弱いところもあるキャラクターはとても好きなので、しっかりこの物語を読むモチベーションになってくれた。後半の他のルートで影薄すぎじゃない?

生き返る以外に特別な力を持つ訳じゃないうんこマンの、それでも彼女の涙を拭うことはできると、寄り添うことでスピカを救おうとするのはストレートにいい話。

何事も最初の体験ってのは特別なもので、プレイヤーにとってこのルートが最初なのは当然として、うんこマンにとっても、先入観も余計な介入もないのはこの話だけ。だからこそ綺麗で儚い、印象に残るルートだった。


正直なところめちゃくちゃうろ覚えだったので、素直に楽しんだ。




共通ガーネットルート。
タイトルは  Sad mad Good-bye。驚くべきことにほぼ全て覚えていなかったルート。色々ショックで読み飛ばしてたのかな? そう考えると今と昔で一番評価が変わったルートかもしれない。

スピカとの記憶を引き継ぎながらのこのルート。しょーじきうんこマンの行動はダメダメで、もどかしさを感じる。だけれども、取り返しのつかないところまで行ってしまったうえで、それでも今の、この未来のためにと、再び立ち上がる。そして必死にガーネットに償ううちに、ガーネットに惹かれていく。

好きになる過程と、幻想のスピカに赦しを求めるところが、なんかめちゃくちゃ人間らしくて、好きだった。

ところで、ガーネットは川嶋有里に少し似ている。ガーネットを見て校門に立つ川嶋有里を幻視するシーンからしてもそれは意識されたもの。だとすると、ヒロインの中でうんこマンが直接的に容姿を可愛いと表現したのがガーネットだけなのは、ちょっと考えさせられた。


そして、このルートではアルマゲストや伊都夏にまつわる謎に大きく踏み込む。アリデッドの目的に関してもうっすらと見えてくる。

願うことと信じることは違う。それは至極当然で、プレイヤーである俺らが知らない積み重ねが、そこにはある。ガーネットの、これは、勝てない戦いだ、負け戦だと聞かされて育ったという台詞。

このセカイは、悲劇を必要としている

ひたすら周到に用意された悲劇の種。その執念のようなものを感じて、ゾッとしてしまった。

最後にアリデッドの言っていた、魔女じゃないあいつらが想像できるのか? 一人でセカイを支えられるのか? という問。終わった先のことを考えての発言かはわからない。だがこのコトバ通りにガーネットのセカイには二人はおらず、ガーネットは一人でセカイを支えることはできなかった。

崩壊し、二人きりになったセカイでガーネットから告げられる言葉。

「もう一度、生き返って――」
「私たちを、幸せにしてあげて」

これでテンション上がんなくて何? って話。良い終幕だった。



共通ミラルート。ミラルートかは疑問だけれど。 
タイトルは  Shoot the Miracle Goal。終わりかたは本当にミラクルゴール。無茶苦茶な展開ながらも、人生リベンジ、完了だろ?の文字と共に流れるエンディングテーマで、胸が熱くなった。

それとアリデッド。このセカイを守るためなら何だってやる、とまで言っていたアリデッドが、ラストで悪魔と戦うために飛び、この話だけはと叫ぶところは心打たれた。

さて、ルート単体での感想はなかなか難しい。終わりよければ、といってもやっぱり前半はあまり面白いものではない。ガーネットの想いを受けて本当のハッピーエンド目指しリトライしたのに、前二ルートは何だったんだという話で、言い方を選ばなければひどい茶番。一言で堕ち、いがみ合う二人の姿に、今までしてきたことを貶められているような気すらしてしまう。

スピカが信じたからガーネットは友人のために身を引いたのか? ガーネットが信じたからスピカは友人のために怒りを露にしたのか?

そんな考えすら浮かんでしまった。


前世二回の記憶によって二人の好感度を手にいれて、代わりにあったのはミラを選ばない限り破滅するセカイ。

プレイヤーという視点からすればスピカガーネットときて次はミラか、というような薄い納得でも動けるが、うんこマンからしたら到底納得できないだろう。ガーネットルートもそうだが、うんこマンの気持ちはお構い無しに一本道でシナリオは進んでいく。登場人物の一人であるやわらかうんこマンでは物語を変えることはできないのだろうか。



続きは次回